本日の1本 悪魔の調教師
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2010/05/12
- メディア: DVD
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米国の田舎道を走行中の女性3人組。車が故障して立ち往生しているところ、通りがかったイケメン男性アンドレに助けられる。しかし、アンドレの家で目にしたのは、鎖でつながれた女性たちであった、、、というストーリーです。
(以下、ネタバレありです。)
アラン・ルドルフ監督のデビュー作で、1974年の作品。
ストーリーの流れは「田舎に行ったら襲われた」系なんですけど、しかし、どうも違う、ズレまくってる。そのズレがとても素敵なのです。
とりあえず、アンドレのイカれた発想が素晴らしい。捕らえた女性たちを野獣と看做し、調教してサーカス団を結成しようとするのです。
女性たちを調教、と聞いても、エロな場面を期待してはいけません。なんとこのイカれた男は、本気で女性たちを動物だと信じているようなのだ。
エロな観念を一切放棄している故に、狂気が余計に際立っているのですよ。
皮を剥いだりとかゴアなシーンもあるものの、そんな映像よりも、じわじわと狂気が伝わってくる男の演技にゾクっときます。
そして、ときどきチラッと登場する謎の怪物。意味不明に人々を襲ったりします。
冒頭のほうから「水爆実験」などの言葉が会話に登場しているので、まぁ核実験に巻き込まれて怪物化した、というオチなんだろうと思ってたらその通りでした。
しかし、その怪物が大暴れするラストの展開は衝撃的。
イカれ男だけでなく、普通のホラー映画なら最後に助かりそうな伏線のあった女性も惨殺、さらに捕らえられている女性たちもほとんど皆殺し状態。
なるほど、ここまで救いようがないと、立派に「反核作品」として成立していると言えるかも。