本日の1本 悪魔の調教師

悪魔の調教師 [DVD]

悪魔の調教師 [DVD]

 
 米国の田舎道を走行中の女性3人組。車が故障して立ち往生しているところ、通りがかったイケメン男性アンドレに助けられる。しかし、アンドレの家で目にしたのは、鎖でつながれた女性たちであった、、、というストーリーです。
 (以下、ネタバレありです。)
 
 アラン・ルドルフ監督のデビュー作で、1974年の作品。
 ストーリーの流れは「田舎に行ったら襲われた」系なんですけど、しかし、どうも違う、ズレまくってる。そのズレがとても素敵なのです。
 とりあえず、アンドレイカれた発想が素晴らしい。捕らえた女性たちを野獣と看做し、調教してサーカス団を結成しようとするのです。
 
 女性たちを調教、と聞いても、エロな場面を期待してはいけません。なんとこのイカれた男は、本気で女性たちを動物だと信じているようなのだ。
 エロな観念を一切放棄している故に、狂気が余計に際立っているのですよ。
 皮を剥いだりとかゴアなシーンもあるものの、そんな映像よりも、じわじわと狂気が伝わってくる男の演技にゾクっときます。
 
 
 そして、ときどきチラッと登場する謎の怪物。意味不明に人々を襲ったりします。
 
 冒頭のほうから「水爆実験」などの言葉が会話に登場しているので、まぁ核実験に巻き込まれて怪物化した、というオチなんだろうと思ってたらその通りでした。
 しかし、その怪物が大暴れするラストの展開は衝撃的。
 
 イカれ男だけでなく、普通のホラー映画なら最後に助かりそうな伏線のあった女性も惨殺、さらに捕らえられている女性たちもほとんど皆殺し状態。
 なるほど、ここまで救いようがないと、立派に「反核作品」として成立していると言えるかも。