本日の1枚 Grimes

 Grimes / Visions (CD)

Visions

Visions

 
 カナダの女性アーティスト、クレア・バウチャーによるソロ・ユニット。全然知りませんでしたが、この盤がもうサード・アルバムで、4ADからリリースされています。
 ジャケもルックスもエキセントリックな感じで、とても手を出そうとは思わなかったのですが、聴いてみたら音楽は案外いけました。
 透き通った高音ヴォーカルを攻撃的だがドリーミーなエレクトロ・サウンドに乗せた楽曲は、なぜか荘厳な雰囲気もあり、そしてとてもポップです。
 
 オープニングの『Infinite Without Fulfillment』から、不穏なビートに可憐な歌声。どこかトライバルな感もあります。
 『Genesis』や『Oblivion』あたりのサウンドがこのヒトの真骨頂か。懐かしのハンマー・ビートにこれまた懐かしの80'sエレ・ポップなビヨビヨ・シンセ、そしてなんか東洋風の高音ヴォーカルはちょいとモンド・テイストもあり。
 『Eight』なんて、珍妙な声を出したり、ふざけ方もなんだか80's しています。
 しかし決して復古的な音でもないし、このあたりの微妙なセンスが好いですな。
 
 メランコリックなシンセ音も宇宙志向的な世界観もデトロイト・テクノ的な『Vowels = space and time』とか。
 ドラムン風のリズムにピコピコしながら朝もやな美しさを感じる『Skin』とか、なかなか面白い盤であります。
 
 
 Oblivion
 
 
 Skin