本日の1枚 非常階段 starring 初音ミク

 非常階段 starring 初音ミク / 初音階段 (CD)

初音階段

初音階段

 
 去年の終わり頃からだったか、通勤途中にあるレコ屋の入り口に「SOB階段」と書かれた貼り紙を見るようになった。そういえば昔、SOBと非常階段が合体したことがあるよな、とか思って何気に検索してみたらその昔の音源が再発されたらしい。
 そのときついでに目にしたのは、BiSとのコラボ「BiS階段」や、坂田明との「JAZZ非常階段」などの知らないユニット名。なんか面白そうだけど聴きたくないような気もする、とか思ってました。あと、もんじゅ君と一緒にステージに立ったりとかもしてたよな。
 さてそんな中、ついに無視できないコラボが。初音ミクとの初音階段だと!
 
 例えばアーント・サリーとか、初音ミクもまたいろんな曲を歌わされてきてますが、いやぁ非常階段ですか。これは聴いてみたい、で、聴きました。
 収録曲は4曲。なので聴くまではちょっと物足りない感がありましたが、実際に耳にするとそれだけでお腹いっぱいな感じか。
 
 まずは緑魔子のカヴァー、『やさしいにっぽん人』。メロウだがどんよりした重い空気感のサウンドと、不意にその空気を突き破る激しいノイズ。そして無機質なミクの歌声。別世界を垣間見るようなモヤモヤ感が気色悪くもどこか美しい。
 じゃがたら『タンゴ』のカヴァーも同様な質感です。
 
 しかし、『不完全な絵画』では一転、じわーんとラジオ・ノイズが鳴り響く中、キュイーンな激音が耳を直撃するノイズ・アヴァンギャルドな一品。
 この曲ではミクは歌わずにポエトリー・リーディングを。心の無い言葉が漂う違和感がなんとも素晴らしい。
 ラストの『hatsune - kaidan』は、もう延々と続くノイズの渦の中、もうミクの声はほとんど聴こえないし。
 
 
 やさしいにっぽん人