本日の1枚 Yo La Tengo

 Yo La Tengo / Fade (CD)

Fade

Fade

 
 ヨ・ラ・テンゴは面白い。立ち位置は明確だと思うけど、音楽は常に可変。特に斬新な音楽を提示しているわけでもないのに何か想定外な驚きがあり、そして同時にエヴァー・グリーンな感も覚える。
 この新作はジョン・マッケンタイアがプロデュース。なのでちょっと懐かしげなシカゴ音響系の穏やかな感性に包まれつつも、轟音ギターも鳴れば、80'sニュー・ウェーヴな音もあり。
 
 とりあえず冒頭の『ohm』が好い。じんわりとノイジーな音響に穏やかなハーモニーが乗って、しかもなぜかストレートにロックな感もあり。
 目眩を起こしそうだが安心して聴ける音。まさにこのアルバムのジャケどおりのイメージで、ヨ・ラ・テンゴらしさを感じます。
 へぼへぼにギタポな『well you better』も、轟音ギターでシューゲイザー的な『paddle forward』も、なんとなく初期ニュー・オーダーみたいな『stupid things』も、やはりどれにもヨ・ラ・テンゴらしさを感じるけど。
 
 ジョン・マッケンタイアを感じるのは、やっぱちょっとソフロな感性を交えた曲でしょうか。
 穏やかメロウな『is that enough』や、フォーキーな『the point of it』とか。
 ラストの『before we run』は、じんわり穏やかながら、どこかトライバルな味わいもまた面白い。
 
 
 ohm