本日の1枚 Nicky Hopkins

 Nicky Hopkins / The Tin Man Was A Dreamer (LP)

夢見る人

夢見る人

 
 ストーンズの作品などで名を見かけるピアニスト、ニッキー・ホプキンス。ジョン・レノン『イマジン』のピアノもこの人ですね。でもやっぱ、なんとなくストーンズの準レギュラーといったイメージがあります。
 そんなニッキーが1973年にソロでリリースした2枚目のアルバムがコレ。
 ジョージ・ハリソンリンゴ・スター、ミック・テイラーなど、多数の有名ミュージシャンが参加したにも関わらず、どうやらヒット作とはならなかったらしい。だって、地味なんだもの。
 でも、地味だけど良いアルバム。地味な叙情性にキュンときちゃう、聴いているうちに知らず知らず涙を流しているような感があります。
 
 まずはピアノ小品『Sundown In Mexico』でスタート。続く『Waiting For The Band』は、穏やかグルーヴィなサウンドと、どこか外れたジェントルな歌声が素敵です。そして明るい曲調なのに妙に切ない。
 インストのフュージョン曲『Edward』は、ジョージ・ハリソンのスライドも聴きどころですが、でもやっぱ軽やかにファンキーに哀愁たっぷりなニッキーにピアノが主役ですね。
 いかにも当時の英国ロックな『Speed On』とか、思い切りな泣きメロの『Dreamer』とか、やっぱ地味だけど好い曲。
 お気に入りは、ニュー・オーリンズ風にブギな『Pig's Boogie』でした。ちょいといかがわしい味わいのホーンはボビー・キーズ。
 
 
 Waiting For The Band