ここ数日で読んだ3冊

 「しょうがの味は熱い」

しょうがの味は熱い

しょうがの味は熱い

 煮え切らない同棲生活を男女の視点から描く。著者には珍しく(?)主人公は暴走せず、ただ淡々と心のすれ違いが続いていく。
 ユーモラスな文体ではあるが、とにかく痛々しい。ストーリーにリアルさは無いが、その痛々しさだけがリアルであります。
 
 「餓鬼道巡行」
餓鬼道巡行

餓鬼道巡行

 台所リフォームのため調理できなくなった作家が、居酒屋、定食屋にラーメン屋と、外食産業に挑む。グルメレポート風の詳細な描写に果てしない妄想を加え、要はいつもの町田節な文章であります。
 毎度のことながら、語に対する感性の素晴らしさに参る。その妙を味わえるのは巻末の詩集かな。
 
 「きのこ文学大全」
きのこ文学大全 (平凡社新書)

きのこ文学大全 (平凡社新書)

 本をめくって、きのこ狩り。稲垣足穂夢野久作から「男おいどん」や「マタンゴ」まで。古今東西の文学、さらにマンガや映画まで、きのこが登場する作品とその描写を収集しています。
 そう、ただ集めて紹介してるだけなのに、そのスクラップブック感がとっても面白いのです。中毒性高し。きのこ本をもっと!て感じで読み進めちゃいました。