ここ数日で読んだ5冊

 「ビブリア古書堂の事件手帖4」

 いよいよ栞子の母、智恵子が登場した4作目の題材は江戸川乱歩。乱歩の作品が謎解きのネタになったり、ストーリー展開のキーとなったり、何気に巧い仕掛けはやはり素敵に思えます。
 そして、登場人物が好きな乱歩作品に「押絵と旅する男」と「人でなしの恋」を挙げていることに共感したり。
 思い切り「次回に続く」なラストもまぁいいんじゃない。
 
 「同志社大学神学部」
同志社大学神学部

同志社大学神学部

 佐藤優が学生時代を回顧する自伝。難解な神学に係る記述を含め、すっと腑に落ちる文才に唸らされる。そして、知的好奇心を強烈に掻き立てられる。
 
 「前世探偵カフェ・フロリアンの華麗な推理」 自分の前世が見えるゲイバーのママが探偵役となるミステリ短編集。設定からして基本的にユーモア・ミステリ・タッチなんだけど、内容は人情物語なものが多し。意外に泣かせます。
 しかし、謎解き要素とかはほとんど無く、ミステリというよりもファンタジーなテイストであります。
 
 「カリコリせんとや生まれけむ」
カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)

カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)

 何かと話題の多い現代美術の旗手によるエッセイ集。会田誠の纏まった文章を読むの初めてだが、クスリと笑わせるセンスが素晴らしい、面白い。
 自分ネタに家族ネタのバカ話、くだらないエロ話に垣間見える批評性にも惹き込まれました。
 
 「エルマーのぼうけん」
エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ)

エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ)

 子が図書館で借りてきたんだけど、懐かしくてつい読んでしまった。子供の頃にとても印象的だった一冊です。
 子竜を助けるために未開の島を探検する少年のお話ですが、その島で出会う動物たちが結構恐ろしい。みんな主人公を襲い、食べようとするのです。その危機を愛らしい機智で乗り切るエルマーの行動にわくわくしつつも微笑んでしまう。