ここ数日で読んだ4冊

 「世界が土曜の夜の夢なら」

 ヤンキーを分析することで日本文化を語る。X JAPANから闇金ウシジマくんまで、例に用いるネタもキャッチーであるが、反社会性と保守主義の両立への指摘等、面白いなかに鋭さもあり。
 それにしても、世間の橋下某に対する共感と嫌悪感の分析に、見事に適用可能で笑ってしまうほど。
 
 「クラウド・アトラス 上」
クラウド・アトラス 上

クラウド・アトラス 上

 時代も世界観もまるで相違する6つの物語が語られる。どの物語の主人公もどこか悲惨な要素を抱えているが、社会派ぽかったり、コメディっぽかったり、近未来SFだったり。
 どれも盛り上がりかけてはブチッと終わっちゃう。これらが下巻でどう交錯していくのか、ちょっと楽しみになってきた。
 
 「けさくしゃ」
けさくしゃ

けさくしゃ

 江戸の戯作者が主人公となるミステリ短編集。周囲で起こる謎を、物語を紡ぐことで解決に導くという趣向が素敵だ。
 軽妙な掛け合いも好いし、当時の出版事情などの時代背景の描き方も何気に巧い。しかし、各章冒頭の説明文はちょっと話の腰を折っちゃう感があり。
 
 「美少女教授・桐島統子の事件研究録」
美少女教授・桐島統子の事件研究録

美少女教授・桐島統子の事件研究録

 若返り病を発症して美少女になっちゃったノーベル賞受賞者の老女性教授が探偵役となるミステリ、て設定はちょっといくらなんでも。しかし、それはそれで面白いんだけど。
 研究者ネタには説得力もあり、続編出たら読んでしまいそう。