本日の1枚 Predawn

 Predawn / A Golden Wheel (CD)

A Golden Wheel

A Golden Wheel

 
 約3年前にリリースされたミニアルバムが衝撃的だった Predawn。アコギと歌声のシンプルな楽曲でありながら、英国フォーキーな「森の奥」感と UKロック的なグルーヴ感、オールドタイミーな音とエレクトロニカ以降な感性などなど、さりげなく漂うそれらの手触りにキュンときてました。
 そしてついに待望のファースト・フルアルバム。期待どおりに素敵なアルバムです。
 やはりアコギを中心にしたシンプルなサウンドなれど、録音手法はかなり拘ったことが感じられる質感。様々な楽器を何気に配したアレンジも素晴らしい。
 
 とりあえずは冒頭の『JPS』。アナログなぶちぶちノイズで始めるこの曲、確かに耳への感触は懐かしい。いろんな音を配しながらもあくまでもシンプルなアレンジで、微妙なグルーヴィさを湛えた歌声にやはりキュンとね。
 決して細くはないけど儚く、ドリーミーで、愛らしい歌声の魅力にいきなり参りました。
 続く『Keep Silence』は、静かなアコギの音色が発するグルーヴィさも好いし、キュートなコーラスをそっと重ねるアレンジも素敵。
 ちなみに『JPS』はサルトルを歌った曲で、『Keep Silence』は「語りえぬものについては沈黙しなければならない」だと。
 
 淡い煌めきな情感の『Tunnel Light』、なぜかエレクトロニカ・ポップなオープニングの『Breakwaters』、ちょっぴり脱力なネオアコ風の『Free Ride』と、さらに続く楽曲もどれも文句無しに素敵。
 お気に入りは『JPS』と『Keep Silence』の2曲なんですけど。
 ラストにはシークレット・トラックとして日本語詞の曲も。これはこれで好いんだけど、英語の響きの方が歌声と世界観に合ってるかな。
 
 
 Keep Silence