本日の1枚 坂本真綾

 坂本真綾 / シンガーソングライター (CD)

シンガーソングライター

シンガーソングライター

 
 ここ数年の坂本真綾作品を聴くときは、自分が好きだったのは菅野よう子と組んだ坂本真綾である、という思い込みに捕われながら、あぁまぁそうでもないや、と思い直すことを繰り返しているような気がします。
 8枚目のアルバムとなるこの新作は、タイトルどおり、全曲作詞作曲を自身で手掛けているそうです。
 正直な感想は、まぁ結構いいよね、という感じであります。
 シンプルなメロディに意外や才能を感じたりしましたが、そのシンプルさから彼女の声質の魅力を引き出しているのは、アレンジのセンスに依るところが大きいような気もする。ちなみにアレンジャーは河野伸渡辺善太郎だと。
 
 冒頭の『遠く』は、ありきたりに思えたメロディが、ふっとサビに入るところで印象が変わる。オーケストレーションも上手い。
 しかし、くにゃっとした浮遊感の『誓い (ssw edition)』、なぜかエレクトロニカ系なイントロの『僕の半分』とか、微妙に物足りない曲がもどかしい。
 逆に『ニコラ』は、もっとシンプルなほうが好い、とか。なんというか、あと1歩で大好きになりそう曲が多いのだ。
 
 ちなみに、何気にニュー・ウェーヴ感な『サンシャイン』と、ファニーにリズムを刻むピアノとメランコリックさ&ウキウキさが素敵な『シンガーソングライター』がお気に入りです。
 
 
 ニコラ