ここ数日で読んだ3冊

 「ニッポン・ポップス・クロニクル」

 牧村憲一が自分史を語ることで日本のポップ史を語る。アーティストたちのエピソードや音楽業界の内幕なども興味深いが、そんなことよりも、自分の好きな音楽たちが、この本を読むことで繋がっていくような気がした。
 
 「少女は黄昏に住む」
少女は黄昏に住む (マコトとコトノの事件簿)

少女は黄昏に住む (マコトとコトノの事件簿)

 童顔刑事とオタク女子高生なミステリ短編集。その思い切りなキャラ設定を活かしたストーリー展開が意外に上手いという印象。さらに意外なことに、謎解き部分が結構本格的なのだ。
 キャラ会話の掛け合いもやり過ぎ感はあるものの普通に面白いしね。
 
 「桃仙人」 深沢七郎とのつきあいを小説仕立てで回想。些細なことで懇意な間柄の人を斬り捨てる偏狭な作家への敬愛心と、いつ自分も斬られるかとビクビク過ごす恐怖感が、様々な興味深いエピソードとともに綴られる。
 まぁしかし、深沢七郎の破天荒な生き様に惹かれる気持ちも、斬られる不安がやがて現実となったときのフッと抜ける思いも共感できるが、それはまるで青臭い「恋」である。