ここ数日で読んだ3冊

 「tokyo404」

tokyo404

tokyo404

 非定住をテーマにした短編集。ルームシェアを始めたが住人たちは変人ばかりで、というドタバタ劇場な1つ目で油断したら、2つ目の話は家出少女たちの秘密結社へのインタビューでゾクリとする展開。さらに不可思議な体験と都会の日常が交錯していき、いつの間にか都市論が語られる。
 思考の断片がぼんやりと余韻を残す読後感がまた好い。
 
 「クロコディル」
クロコディル―一八世紀パリを襲った鰐の怪物

クロコディル―一八世紀パリを襲った鰐の怪物

 18世紀フランスの神秘思想家が著した珍奇な作品。暴徒を操りパリの街を襲う巨大なワニの怪物と、相対する神秘学者たちとの戦いを描く。
 啓蒙主義を揶揄した語り口はやたらと難解ではあるが、基本的にはバカっぽいSFとして読めたりします。
 
 「デザインあ 解散!」
デザインあ 解散!

デザインあ 解散!

 NHK Eテレデザインあ」のコーナーを絵本化。ラーメンや電卓などが次々と解散(部品化)していく様子をコマ撮りにしています。やはり動画ほどの衝撃はないものの、一切の説明無しに淡々と写し出される珍奇な味わいが素晴らしい。
 無機質なのに温かみのある1枚1枚。ページをめくるたびにフッと頬が緩みます。