本日の1枚 Jennifer Warnes

 Jennifer Warnes / Jennifer (CD)

ジェニファー

ジェニファー

 
 米国の女性SSW、ジェニファー・ウォーンズ。といえば、「愛と青春の旅立ち」や「栄光の彼方に」の主題歌を歌った人、という印象が強いですね。正直言うと、それしか知らなかった。
 しかし、新・名盤探検隊シリーズで廉価再発された、1972年リリースのこのアルバムを試聴したとき、その印象は吹き飛びました。
 ジャクソン・ブラウンジョン・ケイル、ラス・カンケル、ニック・デカロ、ロン・エリオットなどが参加したサウンドは、穏やかなグルーヴ感に溢れていて、フリーソウル的な味わいもあります。
 
 冒頭の『In The Morning』はビー・ジーズの曲ですが、「小さな恋のメロディ」なイメージはそのままに、朝に相応しいグルーヴィさがじんわり響きます。
 ジミー・ウェッブ『P.F. Sloan』のカヴァーも、同様に朝なグルーヴィさを感じたり。あのサビ部分を気品たっぷりに歌う彼女の声にグッときました。ま子供コーラスもまた好し。
 いきなりグニャグニャしたサイケさの『Sand And Foam』(ドノヴァンのカヴァー)や、流麗な『These Days』(ジャクソン・ブラウン)、ホーリーに重厚なアレンジの『Magdalene』(プロコル・ハルム)など、ややヒネリを利かせたアレンジが面白い。
 
 お気に入りは、メロウ&グルーヴィな『Empty Bottles』と『Needle And Thread』。
 前者はジョン・ケイルの作品で、ミニマルなリズムとエレピの柔らかなアシッド感がたまりません。
 後者は軽やかなポップ・ソウルという趣で、これもエレピの音色が素敵です。
 
 
 Empty Bottles