本日の1枚 キリンジ

 キリンジ / Ten (CD)

Ten(初回盤)

Ten(初回盤)

 
 キリンジ10枚目のアルバム。堀込泰行が脱退する、という非常に残念なニュースの後、兄弟として最後のアルバムであります。
 とてもシンプルなバンド・サウンドは、肩透かしな感もあり、納得な感もあり。ラストにして、世界観をストレートにぶつけてきた感もあり。
 
 とりあえず冒頭の『きもだめし』は、爽やかなアコギやグルーヴィなピアノに、気の抜けたでもどこか哀愁と捻くれ感のある歌声がいかにもキリンジな曲。
 続く『ナイーヴな人々』は、オールドタイミーなユルさを漂わせつつも、微妙に転調を続けるアレンジが実はスリリングであったりする、これもある意味でいかにもキリンジな曲。
 『仔狼のバラッド』などは、捻くれた歌詞がいかにもキリンジ
 そう、やっぱ聴き込むほどにキリンジのアルバムなのである。当たり前ですけど。
 
 ビーチ・ボーイズ的なコーラスが的確にハマる『阿呆』と、普通にイイ曲なラストの『あたらしい友だち』がお気に入りです。
 あと、気になったのはインストの『dusty spring field』。まずはタイトルにグッときましたが、音もなんだかトラッド風で素敵な雰囲気でした。
 
 
 ナイーヴな人々