本日の1枚 Kathy McCord

 Kathy McCord / Kathy McCord (CD)

Kathy Mccord (韓国盤) (紙ジャケット仕様)

Kathy Mccord (韓国盤) (紙ジャケット仕様)

 
 米国の女性SSW、CTIレーベルの第1弾として1970年にリリースされた作品。憂いを帯びた顔ジャケが素敵ですが、当時彼女はまだ17歳だったとか。
 「女性版ニック・ドレイク」なんてレコ屋の謳い文句を見ていたので、アシッド・フォークなアルバムなのであろうと思い込んで購入したのですが、意外にもファンキーな印象の曲が目立って驚きました。
 バックはウッドストック系のミュージシャンたちが務めているようで、基本的にはソレっぽい音であり、オールドタイミーな曲もまた多い。
 
 しかしはやりこのアルバムは目玉は、オープニングの『Rainbow Ride』。
 アシッド・フォーキーに始めるがいつの間にやらホーンが鳴り出してジャズ・ロックな展開に。
 さらにラスト近くになるといきなりサイケなグルーヴ感が不意に襲ってくる怪作であります。
 
 続く『I'm Leaving Home』は、タイトルちょっと違うけどビートルズのカヴァー。これはまぁまさにアシッド・フォーキーな曲なんですけど、時計の目覚まし音で始まったり、鶏の鳴き声が挿入されたりと、朝の美しさが静かに幻想的に広がっていきます。
 普通にフォーキーなSSWに聴こえる『Candle Waxing』は、実は複雑で全く予測不かなリズムが凄かったり、ラグタイムな『Baby James』は、曲調に反してなぜか沈み込むような印象を受けたり。
 そしてラストの『Velvet Smile』は、ウキウキと弾む曲が気がつけば悲哀に満ちた雰囲気に覆われるこれまた怪作。
 17歳の少女の才覚によるものか、ウッドストック人脈の職人アレンジによるものか、どちらにしても、とにかく一筋縄ではいかないアルバムであります。
 
 韓国MEDIA ARTEからの再発CDには、ボートラが10曲も入ってます。このボートラがなんだかファンキーな曲が多いのです。
 特に、チャカポコな転がるパーカッションにラテン・フィーリング、歌声もソウルフルなフォーキー・ソウルな『New Horizons』や『That's A Love That's Real』なんかは、フリー・ソウル的な味わいもありますよ。
 
 
 Rainbow Ride
 
 
 New Horizons