本日の1本 ウォーキング・デッド vol.1
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: DVD
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(以下、ネタバレあり。)
米国のテレビドラマ・シリーズ。この vol.1 には、第1話と2話が収録されています。しかしこれがもう、すっごくクオリティが高い正統派ゾンビ作品なのでありました。
まず冒頭から凄い。主人公リックが子供のゾンビの頭を打ち抜く場面から始まるのです。
テレビで放送される作品なのに、いきなり銃で子供の頭に穴を開けるのですよ。
しかし、決してショッキングなシーンで盛り上げようなんて作品ではない。ストーリーが実に巧みに練られているのです。ゾンビ作品でありますが、軸になる人間ドラマがしっかりしています。
命懸けで家族を捜す主人公。しかしその妻は、逃げた先で他の男とできちゃってたり。家族愛の他にも、生存者間の諍いや助け合いなど、ついつい感情移入してしまう要素が実に巧く散りばめられています。
映像もかなり凝ってます。思い切りゴアな場面は無いのですが、特殊メイクも地味めながら気合い入ってるなぁ
ビックリさせるためのリアルではなく、ゾンビと化した者の侘しさが滲み出るようなリアルさ。
それ故に、じんわりと恐怖を感じてくるのです。そんな表現力に溢れたカメラワークもまた実に素晴らしい。
主人公が病院のベッドで目覚めたら、なんてまるで「28日後」と同じなんですけど、その他にも、ショッピングモール風の商業ビルに立てこもったりとか、過去のゾンビ名作へのオマージュが散りばめられています。
特に素敵だと思ったのは、ゾンビの群れを突破するために、ゾンビのマネをするシーン。「ショーン・オブ・ザ・デッド」の名ギャグですね。けれども本作では真剣。ゾンビは匂いで人間を判別する、とゾンビの体液を塗りたくってゾンビのマネ! しかし雨が降ってきて、なんてやっぱりギャグっぽいけど。
まぁそんなところにもゾンビ映画ファンの心をくすぐる仕掛けがいっぱいで、観ていてグイグイと惹き込まれるのですよ。